ペンタククォークΘ+探索実験(E19)はJ-PARCで最初におこなわれたハドロン実験である。 π^- p --> K^- X 反応によるミッシングマス分光でΘ+を探索した。ハドロン反応による高統計量と高性能スペクトロメータによる高分解能を特徴とする。 ビーム運動量1.92と2.01GeV/cのデータにおいてともにΘ+に対応するピークは観測されず、前方生成断面積の上限値0.3ub/srを得た。 この反応における生成断面積が小さいということはΘ+の崩壊幅が狭いことに対応付けられる。 有効ラグランジアンを用いた反応計算との比較からΘ+の崩壊幅に対して0.4MeV以下の制限(1/2+の場合)をかけた。 これはこの質量領域のハドロン共鳴としては異常に小さい。本講演ではE19実験の概要について報告した後、得られた結果について議論したい。