7-10 November 2022
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Belle II実験 ARICH検出器アップグレードに向けた光検出器MPPCの放射線耐性の評価

Presented by 完太 本橋 on 9 Nov 2022 from 18:40 to 19:00
Session: Presentations

Description

Belle II 実験のエンドキャップの粒子識別を担当している Aerogel Ring Imaging CHerenkov 検出器(ARICH)の将来のアップグレードのために Multi-Pixel Photon Counter(MPPC)の使用を検討している。MPPC により 位置分解能の向上や動作電圧の低下などの利点が予想されている一方で、低放射線耐性や高ダークカウントレートといった問題点が懸念されている。 2020 年 2 月に J-PARC の MLF にて MPPC の中性子照射試験を行い、1MeV 換算で10^8~10^11[𝑛𝑒𝑢𝑡𝑟𝑜𝑛𝑠/𝑐𝑚2 ]の中性子を7種類のサンプルに照射した。(Belle II 実験の 10 年間に予想される中性子照射量は10^12[𝑛𝑒𝑢𝑡𝑟𝑜𝑛𝑠/𝑐𝑚2 ]である。MPPCは中性子照射で生じる半導体の格子欠損によりダークカウントレートが増加する一方で、冷却により熱的な励起が減少しダークカウン トレートを抑制することができる。本研究では、中性子照射試験で得られた照射サンプルと非照射サンプルのダークカウントレート測定や、光子を入射した際の波高分布測定を行った。ピコパルスレーザーを用いて光子を入射し、入射のタイミングをトリガーとした波高分布のフィンガープロットから増倍率を導出することで、MPPC の分解能に対する、中性子損傷と冷却によるダーク カウントレート抑制の効果を定量的に評価した。